近年は、企業間の合併や買収(M&A・Merger&Acquisition)が増加し、企業が生き残るための経営対策が進んでいます。
日本国内だけでなく外国資本も日本に流入し、「外資系」の企業も増えています。
企業の合併や買収によって、株価はどのように変化するのでしょうか?
●合併の場合
上場企業同士が合併する場合、株主は合併して新しくなった会社の株式を割り当てられます。
合併する際は、それぞれの会社の株式について「合併比率(交換比率)」が決定されます。
A社とB社の合併比率が「1:0.5」であった場合、「A社株1株とB社株0.5株」が同じ価値になります。
つまり、B社株2株でA社株1株の交換比率ということになります。
それぞれの会社の株価は、合併比率に見合った株価まで調整され、合併後までバランスを取っていく傾向があります。
●買収の場合
企業を買収(M&A)する場合、株式公開買い付けという方法があります。
株式公開買い付けとは、TOB(ティーオービー・Takeover Bid)とも呼ばれ、上場企業に対して買収を目的に行われる行為です。
A社がB社を買収しようと考えたとき、買収する側であるA社は、現在の株価よりも高い買い値を投資家に公表し、B社の株式を買い集めます。
株式の公開買い付けが発表されると、株価はA社の「買い値」まで上昇していきます。
A社の保有しているB社の株数が、発行済株式数の過半数になると、A社はB社を買収することができます。
買収することにより、B社が保有する不動産・知的財産権・特許・販売網・政府免許も取得することができます。
株式公開買い付けは株式交換と同様、企業買収の有効な手段ですが、TOBには2種類あるといわれています。
◇友好的TOB
買収される企業が、すでに承知している場合
◇敵対的TOB
買収される企業が、買収されることを拒否している場合
敵対的TOBの場合、買収されようとしている企業は「中間発行増資」「第三者割当増資」などを行うことにより発行済株式を増加させ、買収を防ぐ行動をとることができます。