カバードワラントを取引するにあたり、参考となる指標があります。
カバードワラントは、現物株取引よりも仕組みが複雑で、指標も多岐にわたります。
以下に、カバードワラントの主な指標を記します。
●始値・高値・安値・終値および前日比
カバードワラントの取引は、リアルタイムで午前9時から午後11時50分までです。
しかし実際の売買時間は、ほぼ24時間可能ということもあり、現物株取引とは価格の決定方法が違います。
カバードワラントの始値・高値・安値・終値は、マーケットメイカーによって決定されるということに注意してください。
カバードワラントの前日比は、深夜0時を境に、前日の午後11時50分の価格との差額となります。
したがって、原資産(対象となる銘柄)の前日午後3時の終値とは違うことになりますので、理解しておく必要があります。
●プレミアム
カバードワラントのプレミアムは、オプション取引のプレミアムと意味が違います。
カバードワラントのプレミアムとは、満期時に損益がゼロとなる原資産価格の変動率のことです。
○コールワラントの場合・・・原資産の価格がどれくらい上昇するかの割合
○プットワラントの場合・・・原資産の価格がどれくらい下落するかの割合
プレミアムは、原資産価格と損益分岐点の差額をパーセントで表しています。
プレミアムは、異なるワラントを比較する時に利用することができます。
●デルタ(価格感応度)
デルタとは、原資産の変動が原資産1単位分のカバードワラントに対して、どのくらい変動するかを表しています。
オプション取引のデルタとは違うので、注意しましょう。
デルタ値が1に近いほど、カバードワラント価格と原資産価格の連動性が高いといえます。
●ギアリング
原資産を一定単位購入する金額で、カバードワラントがどれくらい購入できるかを表します。
ギアリングの数値が高いほど、レバレッジが大きくなります。
●実効ギアリング
株式に投資した場合と比較して、レバレッジが何倍程度あるかを表します。
数値が大きいほど、同じ資金でも多くの投資が可能ということです。
実行ギアリングはデルタ値を考慮した数値であるため、実際のカバードワラント価格の変化が理解しやすいといえます。
●参照価格
マーケットメイカーが値付けする時に、参照とする原資産の価格のことです。
午前9時かまら午後3時までは表示されず、午後3時から午後11時50分まではマーケットメイカーにより表示されます。
通常は、原資産の当日終値となっています。
●1ワラントあたり原資産数
1ワラントで、どれだけの原資産が購入できるか(売却できるか)の数値です。
カバードワラントは現物株と比較して、取引時間も価格決定方法も違います。
少し複雑ですが、きちんと理解して取引を行うことが大切です。