先物取引の裁定取引とは、先物価格と現物価格の価格差を利用して利益を得る取引のことをいいます。
裁定取引は別名「アービトラージ」と言い、同じ価値を持つ商品が別々の場所において、異なる価格で取引されている場合、つまり、「裁定が働く」場所において行うことができます。
「裁定が働く」とは、同じ価値の2つものが、異なる価格をつけられていた場合、徐々に同じ価格に落ち着いてくることをいいます。
先物取引の裁定取引では、「理論価格」と「実際の価格」という2種類の価格を利用して取引されます。
先物の取引開始日には、「理論価格」と「実際の価格」には差があります。
しかし、先物取引の期限が近づくと、「理論価格」と「実際の価格」も近づき、「裁定が働く」ようになります。
先物取引の裁定取引は、「ベーシス」という用語を使って説明されます。
●ベーシスとは
「先物取引の実際の価格」と「現物株の価格」との差のこと
●理論ベーシスとは
「先物取引の理論価格」と「現物株の価格」との差のこと
機関投資家たちは、以下のような裁定取引を行っています。
●「ベーシスが理論ベーシスを上回っている」場合
先物取引を「売り建て」し、現物株をバスケット買いする。
●「ベーシスが理論ベーシスを下回っている」場合
先物取引を「買い建て」し、現物株をバスケット売りする。
※バスケットとは・・・
多数の銘柄をまとめて売買する大口取引のこと
「先物取引の価格」と「現物株の価格」が「裁定が働く」ことにより近づいてくると、反対売買を行い利益を得ます。
機関投資家の「裁定買い」「裁定売り」「裁定解消売り(利益を確定させるために、裁定取引を解消すること)」は現物の株式市場に大きな影響を与えます。
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